路上演奏体験記 1
5年程前、僕は朝霞図書館で、青柳文信という人が書いた『路上演奏のガイドブックのような本』を見つけた(タイトルは忘れた)。
内容は彼の路上演奏の体験、都内で演奏できる場所(ゲリラ的に)、実際に演奏していた人へのインタビューとその演奏紹介DVD(付き)、他。
その中で、彼が路上演奏を決意し、初めて路上に立ったとき、足が震えて歌えず1時間ずっとチューニングしていたと書いてあったのを読んで、
僕はとても勇気付けられ、そして僕も始める決意をした。
場所は、池袋芸術劇場前広場。
時は21:30位。
季節は初秋。
僕のスタイルはエレキのタッピングなので電池式のアンプにシールドを繋ぐ。
アンプのボリュームを調整しているフリを30分位して、そっと後ろを振り向いたら誰1人注目も何もしていない。
なーんだ!
そりゃそうでしょう。
自意識過剰で、気が弱い僕は、当然の現実を知って、でも身をもって知るってことが大事と思う、それから小さな小さな音でギターを弾き始めた。
人間、慣れとはすごいもので僕もそのうち音に慣れてきて、気持ちもなんだか破れかぶれの心境になって、
だんだんアンプのボリュームを上げていった。
何人かの通りすがりの人たちが僕の演奏を遠巻きに見ている。
全く気にしていない振りをしつつ、とても気になる。
聞こえないんじゃないのと思ってまたボリュームを上げた。
警察が来て演奏を止められた。
浮浪者がうるさいとクレームを言いに来たそうだ。
で、片付けておしまい。
因みに、皆にこの話をすると、えー警察につかまったのって驚くけど
別に全然大丈夫です。
たまに名前を聞かれるときもありますが
同じ場所で連続でやらない限り経験上は何も問題は無かった。
路上演奏初日の体験はこれで終わり。
でもその場に僕のその初日の背中を押してくれた『本』の著者、青柳文信氏がいたという偶然。
続きはまた・・・。
<予告>初めてチップ用の缶を置いた時の勇気の話を近いうちに・・(たぶん)。